明治41年の味

user-pic
0

靖国神社の横にある遊就館には茶房「結」という食事処があります。その店には海軍カレーというメニューがあり、明治41年に産み出されたカレーのレシピに基づいて、その時代の味を忠実に再現しているそうです。入り口にでかでかとメニュー表が置いてあり、真後ろの家族連れが揃って海軍カレーを食べる話をしていました。

大体においてそうなのですが、昔のものは荒削りなものが多いです。食事にしろ、何にしろ、現代の価値観からしたら相対的に荒く感じるものです。海軍カレーは、おそらく美味しくはないでしょう。そもそも私は靖国神社の敷地内に設置されていた出店で鮎の塩焼きを食べていましたし、腹の具合もそれほど悪くありません。サンドイッチでも食べようと思って、店を訪れたのです。

それなのに、店で私が注文したのは海軍カレーでした。後ろの家族連れが美味しそうに、カレーのことを語るからいけないのです。


さて、海軍カレーは野菜が多く、ルーが茶色でご飯に絡みません。スプーンで掬うと泥のような質感がします。味は、百年近く前の味と考えると及第点ではあるのですが、また食べたいとは思えません。よく物語の世界で現代の人が過去にタイムスリップして活躍するという話があります。私はふと、妄想しました。百年前に行ったら名コックとして就職できるなぁ、と。まったく無意味で不毛な妄想ですが、最近こういった妄想が増えてきています。油断すると夢ある世界へ逃げ込もうとします。はやく現実世界で職を得たいものです。

800円を払うと靖国神社の二階へと行けます。二階には数多くの展示品と、小さな映画館があります。映画館は50人も入れば満員で、1時間事に日本の近代戦争の歴史を記す映画が公開されていました。

ちょうど昼ご飯を食べ終えた私は映画の上映時間10分前に映画館前を通り過ぎ、館内から出てくる人混みを見ました。数はおそらく50人ほど。満員だった模様です。運がいいな、と思いながら映画館に入り、「私たちは忘れない」という映画を見ました。館内は上映の数分前にもなるとすぐ満員になり、後ろで立ち見をする人達まで居ます。その中には十代の兄弟が親に連れられていたので席を譲ろうかと考えていたところ、私の横にある空席に綺麗なお姉さんが座り、その考えを切りやめました。

映画は1時間ほどの短編で、日清、日露戦争から始まり、第二次世界大戦まで、日本的歴史解釈に基づき作られた作品でした。幾ら何でも「日本が第二次世界大戦に参戦した理由」が大東亜共栄圏の設立で、植民地支配の打破だというのは建前を鵜呑みにしすぎだと思いますが、なかなか有意義な時間を過ごすことが出来ました。私の横にいた綺麗なお姉さんも映画終盤で、鼻水を啜っていましたしカップルでの視聴もおすすめしますよ。よほど愛国心がない人でない限り、話が弾むことでしょう。

<リンク>臨床心理士の年収はどれくらい!?


このブログ記事について

このページは、すずが2016年3月 2日 18:15に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「もう少しゆとりあるといいかも?」です。

次のブログ記事は「4月でも鍋料理したい」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

リンク